私はあるきっかけで中国が好きになって一時期中国に通ってました。(※注 2000年より前です)
手相というのは天竺で生まれたんだよ、そこから東西に分かれたんだよということがわかっていても、でも、日本に手相が伝わってきたのは中国からでしょ?と思いたくなる。易者って、中国みたいじゃんと思う。
そこで上海に行ったあるとき、必死こいて手相本を探してみることに。
しかし、その結果は惨憺たるものでした。
本屋に行っても手相の本は売っていないのです。最近でこそ風水の本は置いてあるけれども、かつては風水の本すらなかった。日本の占い好きというのもあるのかもしれませんが、それにしては皆無とはとびっくりしたものです。
政治的な影響というのもかなりあるようですね。これは推測ですが、共産主義というのは迷信を否定的に思っているのだろうと思うのです。例えば、気功集団「法輪功」がはやったころは、迷信打破のスローガンが張り出され、そのような本は一切売られなくなってしまったことからも言えます。
結局見つけられたのは、露店のようなところで売られている手相の本です。その手相の本を見つけられるだけ買ってきました。
しかし、買ってきてからよくよく見ると、大抵がネタ本の写本、コピーでした。そして、そのネタ本は何と西洋手相だったのです。もちろん内容は我々がよく知っているようなものです。
やっぱり観光客が書店を探すだけでは手相の奥義は見つからないのかもしれません。今度はもっと違うアプローチでチャレンジしたいと思います。
中国で全く手相本を見つけられず、もう「中国」では全く手相の本はないのではないかと絶望していた私。
ところがところが――いやいや中華圏は全くもって広い世界であるわけで――探す視点をどうやら私は間違っていたのかもしれません。それは探すべきカテゴリーや探すべき地域ということです。
今回は手相本探しリベンジを御紹介します。リベンジは大成功で、観光そっちのけで本屋漬けになり、また、買い過ぎたため超過料金を払う羽目になりましたが、本当にすばらしい!、手相莫迦だ。
A 地域の話
香港で手相本探し
ネイザンロードという、香港ではそこさえ覚えておけば観光するには十分という真っすぐの道があります。その通り沿いの本屋に試しに入ったところ、ありましたありました、手相本!。意外にすんなり見つかったのでびっくりしました。どの本屋にも大抵手相の本は並んでいました。
ただし、占いの書棚というよりも「健康」「医学」という書棚で、按摩の一貫として紹介しているものが多かったですね。占いの本自体も手相と病気との因果関係というのに絞った内容、ある意味でかなり実践的なレベルの高い本が収集できました。
台北で手相本探し
でかい本屋は忠孝敦化の敦化路というところにあることはわかってました。でも、手っ取り早く、下手な鉄砲も数打てば当たるということで、「重慶南路」という台北駅南西側の予備校が密集している通りに突撃!。
本屋は「書」という文字があるので、遠目に見てもどれが本屋かはすぐにわかります。どの本屋にでも適当に入って、適当に占いの書棚を探します。占いの本自体は香港の比じゃないぐらい多いです。やばいほどずっぽりはまり、意を決して「リレミト」しないと出てこれなかった。
そんな蔵書数としては満足なんですが、冊数が充実している分、内容的には日本の本の翻訳も結構多いです。著者名が日本人なのは自分の蔵書にその人の本があるかどうかを確認してから購入しましょう。
こうやって日本の本が翻訳されているということは、日本の手相本はあるいは手相技術は中華圏でもそれなりのレベルのあるものとして判断されているということでしょうか?よくわかりません。
B 書棚探しの方法
占いの書棚を探すのはそんなに難しくありません。日本人にもわかりそうな占いのタイトルの本が並んでいるからです。占いの書棚の中では姓名判断、風水、暦がかなりの面積を占めています。
占いの書棚を見つけたら手相本を探します。手相の本は「手相」と書いてあるので、探すのにそんなに困りません。また、「面相」「相学」とは主に人相ですが、手相が出ている場合もあります。
ついでに健康関係の書棚を見に行くと按摩の本の間に手相の本があったりする場合があります。「推」の字をたくさん見る場所にあります。「減肥」はダイエット絡みなので、その書棚ではありません。ここの場合は「手相」とは書いてなくて「掌紋」の文字が当てられていたりします。
ちなみに「手册」という文字に一瞬どきっとするかもしれませんが、これは「ハンドブック」という意味なので手相の本ではないです。
そんなに中国語の本ばっかり収集してどうするんだ!という突っ込みが入りつつ、楽観的によりハイレベルな本を探してみたいと思います。
次回はもっとディープな世界、オカルトグッズが売られているところ、占い師が密集して出店しているところ、古書が大量に売られているところに探しに行きたいですね。(了)
いつしかトルコ語で「evet」「hayir」を使い、あいさつが「merhaba」であることがわかったころ、ちょっとしたトルコ興味を持つようになりました。というのは、私の利用しているチャット「ICQ」に多くのトルコ人がやってくるからです。
そんな中、トルコを愛好する人々の輪に入る機会がありました。彼らは言いました。「トルコ人って、占い好きだよね〜」「人を見ると手相を見たがる」
おお、ではでは、私が行けば?〜。一同曰く「絶対人気者になる」「絶対楽しい!」。楽しいことはわかったが、なんだなんだ、どの方からのリアクションも妙に熱い!
要は、男性が女性の手相を見たがるというふうなことなのかもしれない。しかし、かの国では紅茶占い、キノコ占いなどなど占いめいたものが生まれ、占いに興味がありそうな土地柄、いかがわしく思わず、素直に占いに興味がある人がいると考えてもおかしくないか?。
それにしても、トルコの中では手相占いはどういう位置づけがあるのでしょうか?
トルコと手相の相関関係について御存じの方、教えてください。
例えば、海外に行って、自分の趣味である手相の話題を振ってもいいんだけど、本音としては海外の友人に手相を見てくれと言われるのが一番困るんですね。それは、外国語だとうまくこちらの意図が伝わらないし、こちらも相手の価値観を図るために質問することがうまくできないからですね。
どこかで書いたかもしれませんが、私の場合は鑑定はもちろん日本語でしか思い浮かばないわけで、手相を見ると口から適当にその印象や感想(鑑定)が出てくる、そして、それはもちろん日本語なんですね。この辺は、外国人の霊を呼びだしても津軽弁で話し出すというイタコさんと同じです。
したがって、その手相を見たものを言葉として出す場合、ダイレクトに外国語にトランスレートでできるわけではないんですね。なので、すごく面倒だし、頭が大混乱するのです。
結局、何とか鑑定を言う方法として思いついた方法は、紙を使って何度もトランスレートすることです。そうしたら、何と鑑定文ができてしまいました。
まず、見たら思いつくので、それを鑑定として頭の中でトランスレートが行われるわけですね。ここまでは手相見の人と同じでしょう。
その後から紙を使います。その鑑定をひとり言のように声に出して日本語を言いながらそのまま速記(私は速記者なんですね〜)にトランスレート、その速記符号を日本語にトランスレート(これを「反訳」と言うのですよ、知ってました?)、その日本語文をさらに外国語にトランスレートする。私の場合、外国語は中国語しかできないので超下手くそな中国語にトランスレートする。
最終的に中国人に渡して、意味がわからないものを質問してもらってそれに対して口頭でニュアンスを説明します。
なんとも複雑な過程ですが、こうするとA4に1枚びっしり文字が並ぶので、日付と私の署名を入れると、あら不思議、鑑定文としては結構いいかもとか思ってしまった。もちろんメインの文章はA4用紙の二分の一から三分の一しかないのですが。
それにしても、みんな手相鑑定にびっくりするというよりも速記にびっくりして終わるのがまたおもしろい――日本人でもびっくりするか。
こんなのが欲しい人なんているんでしょうか。興味があったら……こういう場合は対面で見ないとできないでしょうが、連絡ください。